個人事業主は帳簿って付けないといけいないの!?ぶっちゃけ付けなくてもいいの!?どっち!?
そう疑問に思うことってありますよね?
実際に公的には帳簿はつけないとだめとは聞くけど、先輩や同僚には「別につけなくてもいいよ。バレないし」と言われています。
さて、どっちが正しいのでしょう。
今回は前職の関係で2年間にわたり2000人近くの個人事業主の確定申告のサポート(記帳代行)をしてきた僕が、個人事業主の確定申告に帳簿は必要なのか、また、必要ならどうやってつけていけばいいのか。についてお伝えしていきます!
個人事業主に帳簿は必要?
結論から言います!
残念ながら、
帳簿は必要です!!
H26年の1月1日より、税制改正(税金のルールの改正)によって全個人事業主に記帳が義務化されました。これによって、原則少しでも売り上げのある個人事業主は、帳簿をつけなくてはならなくなったんですね。
そうですね。ただ、実際は業種に限らず、各個人事業主での脱税が顕著に問題視され出したため、国税庁も全ての個人事業主に帳簿を義務化したという背景があるようです。
ぶっちゃけバレない場合がほとんど
そう、ここが帳簿の義務化の落とし穴です。
そもそも確定申告(2月16日〜3月15日までに税務署に去年1年間分の所得や税金を申告する行為)をするときには帳簿がチェックされることはないんですね。
で、いつつけていないことがバレるのかというと、税務調査という調査が行われたときなんです。
税務調査とは
税務調査(ぜいむちょうさ)とは、徴税機関が納税者の申告内容を帳簿などで確認し、
誤りがあれば是正を求める一連の調査手続をいう。 wikipediaより引用
もっと噛み砕いていうと、税務署の職員がみなさん個人事業主がちゃんと確定申告してるかチェックする調査のことです。これに引っかかると帳簿の提出が求められるため、バレてしまうことが多いんですね。
ただ、実際にこの税務調査もよく入られるのかというと、そうではなく、せいぜい1%~2%くらいの確率です。
ほとんどの(小規模)個人事業主は税務調査の経験をすることはないので、結局バレないから帳簿なんてつけなくてもいいという発想になるんですね。
帳簿、つけないとどうなる?
では実際に帳簿つけてなかったことがバレてしまった場合、どうなってしまうんでしょうか。
実際に、税務調査で帳簿をつけていないことが発覚した場合、基本的には経費が否認されてしまいます。
要は、経費100万円で申告していたのに、その半分が否認されたり、はたまた全部が否認されてしまうかもしれないということです。
そうなってくると、何十万円という罰金を課せられることになり、とても悲惨な結果になることもしばしばです。
実際に税務調査では、一人当たり24万円追徴されたというデータもありました。全国的に所得などの申告漏れによる追徴(罰金のようなもの)が年間5,000億円あるといわれています。
また、一度調査を受けるとその年だけでなく、最低3年は遡られ、場合によっては5年、7年とさかのぼって調査が行われます。税務調査で1年間で20万円の罰金(追徴)とすると、7年遡られると140万円の罰金(追徴)を受ける可能性があるんですね。
まだまだ多くの人に入られているわけではないといえ、これだけたくさんの追徴を取られている個人事業主は実際にはいます。
これらのことからも、しっかりと対策をとって帳簿をつけておくしかないというのが正直な見解です。
ちなみに青色申告で帳簿つけていないと・・?
ちょっと質問があったのでサブ的に答えておきます。
「青色申告は通常の白色申告よりもかっちりとした申告のため、帳簿が必要だ!」と考えられる方がいますが、これは原則間違いです。
白色申告も青色申告も帳簿は必要なんですよね。
ちなみに青色申告は2種類あり、帳簿の関係性は以下になります。
帳簿 | その他特別必要な手続き | |
白色申告 | 必要(簡易簿記) | なし |
青色10万円控除 | 必要(簡易簿記) | 事前申請 |
青色65万円控除 | 必要(複式簿記) | 事前申請・損益計算書・貸借対照表 |
要するに青色申告だろうが白色申告だろうが帳簿は必要!
で、申告の時には別にチェックはされません!なので極論、帳簿つけてなくてもその時はバレません。これも全部通常の白色申告と同じです。
実は簡単!?帳簿のつけ方!
帳簿ってかなり複雑につけなくてはいけない、簿記の知識も必要と考えている人は多いと思います。
ただ、実際にはそんなこともなく、抑えるポイントは4つだけなんですね。
- 日付
- 支払先
- 金額
- 勘定項目
この4つを抑えてノートやエクセルに記録できればOK。
例を出して見てみましょう!
2018年1月 | 日付 | 支払先 | 金額 | 勘定項目 |
ボールペンを購入 | 4日 | LAWSON〇〇店 | 324円 | 消耗品費 |
お客さんへの差し入れを購入 | 5日 | 和菓子〇〇店 | 3,240円 | 販売促進費 |
携帯料金の支払い | 15日 | au | 6,500円 | 通信費 |
とこのような具合です。
特に決まったフォーマット等もないので、自由な形にして4つの項目だけ網羅しておけば大丈夫です。
ちなみに、勘定項目(経費をどういう風に項目分けしていったらいいか)が分からないという人はここら辺参考にしてみてください!元国税局の職員と一緒に記事書きました!
不動産所得の経費一覧!不動産投資で収入がある人が抑えるべき節税知識!
【保険外交員】生保レディが超効果的に節税するための経費11選と裏技3選!!
飲食店経営のオーナーが落とせる経費項目一覧!【元国税局職員監修】
転売・せどりビジネスで落とせる経費一覧!抑えるべき節税知識をどうぞ!
【マッサージ師・整体師】確定申告で落とせる経費を知って節税せよ!
フリー・兼業ライターが確定申告をする際に落とせる経費と節税方法!
ただ、実際はかなり面倒。。
はい、ここで気付いた方もおられるとは思うのですが、確かに帳簿は簡単なんですが、
面倒臭いんですよね(苦笑)
さっきの表で出した一例は3回分のレシートを記入したものです。
基本毎日何かしら仕事に関する経費は発生しているので、仮に1年のうち230日経費を使ったとすると、230列作らないといけなくなるんですね。
しかもレシートがないやつもあるので、ただレシートを打ち込めばいいというわけでもなく
なので、ほとんどの人はやらないで申告直前まで溜めて、一気に計算して帳簿も3日間徹夜とかして付けるか、帳簿は諦めるかというのが定番ですね。
実質申告時期が2月とかになってくるので、業種的にも繁忙期ですよね。こればっかりは、さっさと取りかかっておかないとあとで痛い目を見ることになります。
面倒な帳簿をしなくてよくなる方法を4つ!
ただ、個人事業主になれば必ずしも帳簿をつけないといけないのかというと、そういうわけでもないんですよね。
個人事業主として開業していたとしても、帳簿をつけなくて済む、または簡単にする方法をお伝えしておきます。
①家内労働者特例制度を活用する
ただ、実際にはそんなに難しいことではなく、無条件で経費65万円までならみてあげますよ!という制度です。
経費を申請しない形の申告なので、もちろんレシートも領収書も、帳簿も必要ありません。
そんなに収入が多くない人や、経費を全然使っていない、レシート集められていないという人は活用するといいかもしれませんね。
ただ、全ての個人事業主に該当されるというわけではないので、詳しく知りたい人は下の記事を読んでみてください!
【関連記事】:【家内労働者特例】小規模個人事業主・フリーランスが簡単に非課税にする方法
0〜103万円 : 年収103万円以下の場合は非課税になるから。ただし、注意点も多いため使う可能性がある人は上記記事を熟読推奨します。
②会計ソフトを使ってちゃちゃっと終わらす
最近はオンラインで利用できる会計ソフトが流行っています。
クラウド会計ソフトシェアNo.1のFreee
個人事業主からもっとも愛用されている会計ソフト。
freeeは普段の営業活動に使った領収書やレシートを写メで撮影or入力するだけで自動的に帳簿付けしてくれる魅力的なサービスです。
確定申告よく分からんなあという人は無料体験版でまずは登録してみるといいです。僕も今は個人事業主なのでこの会計ソフトを使っていて、とても重宝しています。
\初月無料!/
弥生会計
こちらの会計ソフトはなんと1年間無料で試せるサービスです!
永年無料で使える会計ソフトのやよいの白色申告オンラインが人気ですが、個人的には初年度無料体験版があるやよいの青色申告オンラインがおすすめです。
青色申告にすると税金がすくなくとも15,000円毎年節税できるようになるため、基本的には全ての個人事業主は青色申告で申告することをすすめます。
青色申告10万円控除のメリットは?フリーランスは全員やらなきゃ損!
実際必要ある!?個人事業・フリーランスが会計ソフトを使うメリット・デメリット103〜3000万円:年収500万円くらいまでであれば特別ヘマをしない限り税金で大きく損をすることはありません。最低限の税金の知識さえ身につけておけば会計ソフトで十分補えます。
③記帳代行会社に頼んでやってもらう
そういう人は記帳代行を利用しましょう!!
確定申告に必要な手続きは基本的には全てやってくれます!こちらがすることは領収書や申告に必要な書類を送るだけです。
相場は10〜20万円/年程度ですね。面倒臭がりの人や、一定年収以上の人は利用する方がいいでしょう。
250〜5,000万円:記帳代行のサービスは幅広く、サポート内容も充実しています。一旦早めに会計ソフトを使っておいて、その後無理そうなら記帳代行を利用するという流れが一番いいです。ただし、深刻にはある程度準備期間も欲しいので早めにお願いする方がメリットは大きいかも。
④個人税理士を利用する
一定年収を超えられた方は個人税理士を使うのもオススメです。
仕事のお付き合いなどで個人の税理士さんをお使いの人もいると思いますが、個人税理士だと個別に具体的な税務アドバイスを受けることができます。
記帳代行会社の場合は基本税理士と話すことはできないので、具体的なアドバイスは法律上もらえません。
1000万〜数億 年収1000万以上になると消費税が、さらに年収3000万以上になると特殊な税金がかかります。個人税理士を活用して細かな節税方法など相談に乗ってもらうことをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
結論。個人事業主が帳簿つけなくちゃいけないのか問題について、その答えは
バレることは少ないけどバレたらやばいから絶対つけといた方がいい!
ですね。
ただ、今はソフトで簡単にできたり、自分で無理にやる必要がない場合やサービスもあるため、できるだけ自分にあった方法で帳簿をつけていくようにしましょう!