という人向けの記事です。
確定申告の時期がいよいよきましたね。準備のほどはいかがでしょうか。
今回はマッサージ師のあなたが、確定申告で落とせる経費について詳しくお話しします!
経費を学んで、正しく効果的な節税をしましょう!
この記事を書いた人
キック(@kikumer)
新卒で確定申告の記帳代行会社に入社。あおこで述べ2000人以上の確定申告のサポートを経験しました。現在は独立しておなじく個人事業主として活動しています。※こちらの記事は元国税局職員監修のもと執筆しております。
整体師(個人事業主)はなぜ確定申告が必要なの?
個人開業のマッサージ師や整体師は個人事業主というくくりになるため、会社に勤めているわけではありません。いわば経営者です。
そのため、給料から天引きで税金が引かれるわけでもないため、自分で自分の払う税金を申告しなくてはならないんですね。これが確定申告の意味です。
一般的なサラリーマンの場合、給与所得という種類の収入になるので下記のグラフのようかたちになります。
グラフでいうと黄色い部分(課税所得)に税金がかかりますよという仕組みです。給与所得控除は年収に応じて決まるため、税金もほぼ年収によって割り出されます。
で、次に整体師などの個人事業主の場合はというと
先ほどの、給与所得控除がない代わりに「経費」を落とすことができるようになります。
サラリーマンの場合は給与所得控除で決められた金額しか落とせませんが、個人事業主は経費なので、落とした分だけ税金が軽減されるという仕組みになっています。
確定申告の方法
じゃあどうやって確定申告をするのかというと、手順はいたってシンプルです。
- 経費(領収書やレシート)を集める
- 計算しながら帳簿に打つ
- 申告時期に帳簿を元に経費を計算する
- 所得控除も計算し、経費とあわせて売上から差し引き「課税所得」を出す
- あとは計算して所得税を決定する(住民税は自動的に計算される)
こんな感じです。
細かい書類の記入方法は都度ググるか、一番いいのは税務署の職員に聞くことです。
ただ、節税に関しては教えてくれないため、本当にちゃんとやりたいなら会計ソフトを使うことをおすすめします。
【メモ必須】マッサージ師が落とせる経費一覧!
それではさっそく本題に入ります!
まずはマッサージ師の方が落とせる経費とはどういうものがあるのかを把握しておきましょう!
1.租税公果
- 固定資産税
- 自動車税
- 不動産取得税
- 組合費
- 協会費
- 消費税※
これらは全て経費として計上可能です。この場合、それを支払ったなんらかの証明になるものをとっておくようにしましょう!
消費税は、【消費税の課税事業者】として消費税の申告をしている方が対象です。さらに経費として落とせる消費税は、その年分に払った消費税です。
例えば、平成30年分の消費税は平成31年になってから申告して支払うので、平成31年分の経費として申告することができます。平成30年分の経費にはならない点に注意しましょう。
自宅を仕事場にされている方は、仕事場スペース分の固定資産税を経費にすることができます。
ただし、次の税金は経費にならないので注意しましょう!
- 所得税
- 住民税
- 延滞税
- 加算税
- 罰金
ここで、国民健康保険・国民年金・介護保険など社会保険の支払いは、経費ではなく社会保険料控除から引くことになります。
「何気なく支払っている税金が経費になる」ということを知っているのと知らないのとでは、所得税の金額もかなり変わってきます。
経費になる税金をしっかり理解して、確定申告をしましょう!
2.水道光熱費
仕事場で使用している
- 電気代
- 水道代
- ガス代
なども経費です。
注意する点は、家の水道光熱費は経費にならないところです。
仕事場と自宅とが別になっていて、請求書が別々に届く場合は問題ありませんが、まとめて請求書が届いている場合は仕事場と自宅の請求書を分けて申告しないといけません。
どんな場合でも言えることですが、経費にできるのはあくまで仕事の分だけですね。
3.旅費交通費
出張マッサージをされている方は、出張先までの
- 電車代
- バス代
- タクシー代
が経費になります。
さらに、セミナーなどの研修に参加する場合は、飛行機代・宿泊代も経費として落とせます。
ただし、交通費の場合は領収書が出ない場合が多くあり、漏れがちです。
領収書が出ない時は日付と金額と行き先をメモしておいて、あとで支払い明細書に記入すれば領収書がなくてもオッケーですので、活用してください!
4.通信費
仕事で使っている
- インターネット料金
- スマホ代
- ポケットwifi料金
- ホームページのサーバー、ドメイン代
などが経費になります。
ただし、仕事で使っている部分だけが経費になるので、プライベートと仕事両方で使っている場合は、仕事とプライベートで分けましょう!
領収書がないという場合は、請求書など、何らかの証拠となるものを保管しておきましょう。
5.広告宣伝費
- 雑誌・本など紙での広告
- Facebook・twitterなどインターネット上での広告
など、支払った広告代は経費になります。
6.接待交際費
仕事上おつきあいのある取引先との
- 飲み会代
- 接待ゴルフ代
- 冠婚葬祭 etc
などを経費にすることができます。
ただし、これも仕事と関係ないプライベートでの支払いは、経費にすることができません。
7.保険代
- 自賠責保険
- 任意保険
これらも経費になります。
車の自賠責保険・任意保険、自宅を仕事場にされている方の地震保険は、仕事とプライベートに分けて仕事の部分のみを経費にしましょう!
8.修繕費
仕事用の
- 機械
- 自動車
- 建物
などの修理の際に支払った費用が経費になります。
さらに、仕事用の車の車検代も経費として落とせます。
ただし、当然これもプライベートで使っているものの修理は、経費になりません。
9.消耗品
道具・備品・機械・設備などのうち、
- 1年経たずに使えなくなったもの
- 買った金額が10万円未満のもの
が、消耗品費として経費になります。
針を使っているマッサージ師の方は、針も消耗品として経費になります。
ただし、10万円を超える機械・設備などは、減価償却費の計算対象になるので、消耗品に含めることはできません。
10.減価償却費
10万円以上の機械・設備を買った場合は、減価償却費の計算をすることになります。
家、車、パソコンなどは、日が経つにつれ価値が下がってきます。減価償却とは、その下がった価値の分を計算して費用にしましょうって考え方です。
個人事業主の方は、「定額法」で減価償却を計算することになります。
※申請書を出すと、「定率法」での計算もできます。
定額法は、買った代金を毎年同じ金額を経費にする計算方法です。
買った金額 ✖︎ 償却率※ ✖︎ 仕事に使った期間(月数) ✖︎ 仕事で使用している割合
《※償却率の求め方》
買ったものの耐用年数を調べる(耐用年数表) → 耐用年数から償却率を調べる(償却率表)
例)軽自動車を7月に100万円で買った場合
100万円(買った金額)× 0.25(償却率)× 6ヶ月/12ヶ月(仕事に使用した期間) × 60%(事業割合)=75,000円(減価償却費)
11.支払利息
銀行などから借り入れをして機械を買った場合、払った利息が経費になります。
ただし、元本は経費になりません。利息のみが経費になる点に注意です。
こちらの利息も証拠となる書類があれば、基本的には何でもオッケーです!
12.地代家賃
仕事場を借りてマッサージをされている方は、支払っている家賃が経費になります。
さらに、仕事場に行くのに車を使っていて駐車場も借りている場合は、駐車場代も経費になります。
13.書籍代(会議研修費)
- 新聞代
- 雑誌代
- 本代
マッサージの勉強のために買った新聞、図書、雑誌代が経費になります。ただし、仕事と関係のない本・雑誌・マンガなどは経費にはなりません。
さらに、勉強のために参加したセミナーなどの研修費も経費になります。
経費を知ると節税になる!!
マッサージ師の方は、事業所得になります。そして事業所得の計算は、売上ー経費で計算されます。
節税のカラクリを説明すると
事業所得を低くする
↓
「売上ー経費」の金額を低くする
↓
売上を少なくする or 経費を多くする
つまり、マッサージ師の方が節税をするとなると「売上を少なくする or 経費を多くする」どちらかの方法で節税をすることになります。
ここで、「売上を少なくする」ことは脱税になりますので、そもそもの選択肢としてあってはいけません!(笑)
そうなると方法は、「経費を多くする」の1択になります。
ここで「経費を多くする」ことは、払ってもいない金額を経費に含めることではなく、払ったものの中で経費で落とせるものを知ってきちんと節税しましょうということです。
領収書、レシートはきちんと保管
「お金を払ったから経費になる」という考えは間違っています。支払った証拠である、領収書・レシートをきちんと保管して初めて経費になります。
領収書・レシートは、帳簿と一緒に7年間保管しておきましょう。
税務署から何か聞かれた時に見せられるようにしておけば、問題ありません。
領収書・レシートがない場合
経費の中には領収書が出ないもの、領収書をとり忘れたものなどがあります。
そういうものは別の証明書か自分で作ることも可能です。
例1:ETC
高速道路にETCカードを挿入して乗ると、普通に手渡しで料金を払う時にもらえる領収書(レシート)がもらえませんよね。
そのため、わざわざETCを持っていたとしても普通に料金を払うようにしている人もいます。ただ、実際はそんなことをしなくても経費として計上できる方法があります。
利用明細を確認しましょう。ETCはクレジットカード払いのため翌月に紙の明細でクレカの支払い明細書が届くはずです。それを領収書がわりに保管しておけばOKです。
例2:冠婚葬祭などで単純に領収書がもらえない場合
冠婚葬祭の時のお祝いを渡す時、またはお店などで単純に領収書がもらえなかった時、もらうのを忘れてしまった時はどうすればいいでしょうか。
ETCのようにデータで残っているわけではないので計上できないでしょうか。
そのような場合は支払証明書を使いましょう!支払い証明書に自分で日付、金額、支払い先店舗または氏名、経費項目を記入すれば領収書と同じように証拠物として取り扱いが可能になります。
ホームセンターか、ネットでも購入可能です。
他にも税金を安くする方法はたくさん!
実は、経費を落とすこと以外にも、税金を安くする方法はあります。
実際の確定申告では経費をたくさん落としすぎると税務調査に入られて罰金を取られるケースが多発しています。経費で一概に税金を安くしようというのも、少しリスクも伴うわけですね。
【関連記事】:
なので僕からは、できるだけ経費を落とさない方の確実な節税方法を活用することをお勧めします!
一部紹介します。
①ふるさと納税
皆さんご存知ふるさと納税です。ふるさと納税は基本的に納税した分住民税が安くなり、さらに少しだけ所得税も安くなるというとっても魅力的な制度です。
例えば3万円をふるさと納税したとすると、まずは住民税が28,000円安くなり、なおかつ所得税は最低でも1,500円節税できます。
- もともと住民税が非課税であれば納税しても税金は安くならない
- 上限額を確認してから納税しよう!→上限額目安1覧票
ふるさと納税の計算方法ややり方など、詳しく知りたい方はふるさと納税ってどのくらい節税できる?サルでも分かる仕組みと限度額よりどうぞ。
税金初心者でもわかるよう、かなり噛み砕いて説明しています。
②青色申告特別控除
青色申告という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
実は確定申告の種類は、大きく次の3つに分けることができます。
- 白色申告
- 青色申告10万円控除
- 青色申告65万円控除
1つ目の白色申告は一番オーソドックスな申告で、自分で申告している人のほとんどがこの申告です。
青色申告10万円控除、65万円控除という申告をすれば何が変わるかというと、単純に税金が安くなります。
一般的に青色申告10万円控除は住民税・所得税あわせて15,000円の節税。
青色申告65万円控除は97,500円の節税効果があります。
年収や控除額によって違いはありますが、少なくとも税金は安くなります。無料で同じように申告できるため、青色申告を活用しましょう。
- 青色申告をする場合、10万円控除でも65万円控除でも前年の3月15日までに事前申請が必要
- 青色申告65万円控除をする場合複式簿記をつけ、貸借対照表、損益計算書を提出する必要がある。
▼青色申告のセミナーに参加したい方はこちらも確認しときましょう!▼
手続きが面倒!ややこしい!と思ったら会計ソフトの使おう
以上!
経費や節税方法を駆使してしっかりと抜け目なく実行すれば大幅に節税することが可能です。
ただ、ここまで読んでみて、特に初めての方は「え、ややこしい」「めんどくさ!!」と思ったと思います。
ややこしいのが嫌いな人に、確定申告はまじで地獄です。
そういう人は、絶対的に会計ソフトを使うことをお勧めします!
理由は以下です。
- 領収書の計算、帳簿の作成が自動でできる(経費の入力だけすればOK)
- 税率の計算等全て自動
- 税務署に行かなくても申告できる
- 青色申告を活用すれば、会計ソフトの使用料を払っても自分でやるより安くなる!
「面倒臭いなあ」って思った人は漏れなく会計ソフトを使うことをお勧めします!
なぜなら面倒臭がりの人は青色申告ができず、控除のない白色申告になります。
その白色申告を自分でするより、利用料を払って会計ソフトで青色申告をしたほうが圧倒的にお得になるからです。しかも楽!
使わない理由ないです。以降、元国税局職員もおすすめする会計ソフトを紹介しておきます。
会計ソフトfreee
断言しておきます。
このソフト、使ったほうがいいです!!
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どっちみち申告書(確定申告の際に提出する書類)を自分で作るのも、経費を計算したり項目別に分けて帳簿つけるのも面倒臭い。
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実際必要ある!?個人事業・フリーランスが会計ソフトを使うメリット・デメリット
【元国税局員監修】会計ソフトはどれがいい?個人事業主へのタイプ別徹底比較!
まとめ
マッサージ師の方の経費についてまとめました。
「とりあえず確定申告書を出しておくか」という甘い考えでなく、経費をしっかり計算することで税金を少なくすることができます。
確定申告、税金は面倒なことが多いです。
ただし、面倒だと思い税金を学んでいないと、一生高い税金を支払わされることになります。もう確定申告は迫っています。
しっかりと本記事を読んで落とせる経費を知り、税金に悩まない生活をお送りください!
▼節税の王道!ふるさと納税!▼
ふるさと納税ってどれくらい節税できる?サルでも分かる仕組みと限度額計算
▼個人事業主は全員やるべき!青色申告▼
商工会の青色申告会のセミナーを受けてきた!メリットは?会費はいくら?
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