という人向けの記事です。
地方移住を考えている人は最近増えてきていますね。
都会の喧騒から逃れて、のんびり田舎で固定費を抑えて質素に暮らしていきたいと考えている人も多いようです。
中には限界集落などで畑を耕して自給自足に近い生活に憧れている人も少なくないのではないでしょうか。
ここで迷うのが、地方都市に移住するか、思い切って限界集落に移住するかというポイントだと思います。
地方都市は今とそこまで変わらない生活スタイルでいけそうですし、限界集落は田舎移住の醍醐味を味わえそうですよね。
僕は現在、高知県高知市に住んでおりますが、その前は四国の山奥の限界集落、そしてその前は大阪の都心部に住んでいました。
なので、三者三様どの良さも悪さも理解しています。
今回は都会・地方都市・限界集落の3つのメリット・デメリットについて、それぞれ解説をしていきます。
この記事を書いた人
キック(@kikumer)
学生時代貯金がマイナス30万円になったことを機にお金の大事さを痛感。そこから奮闘し、25歳で1200万円貯まったので脱サラして家族で田舎に移住しました。現在は主夫兼在宅ワーカーをしています。
都会・都心部に住むメリット・デメリット
まずは、都会・都心部に住むメリット・デメリットについて解説します。
まあこれは分かり切ってる内容が多いとは思いますが、他の地方都市、限界集落との比較対象として、簡単に触れておきます。
- アクセスがいい
- 人に会える
- 遊ぶ場所がたくさんある
- 医療施設が充実している
- 収入が高い仕事が比較的多い
- 人混みが多い
- 空気が汚い
- 固定費が高い(特に土地代)
僕が都心部に住んでいた頃、特に感じたメリット、デメリットです。
もともと僕は奈良県で、大学も高知県だったので、田舎育ちだったのですが、都会に行くとやはりそのアクセスと利便性には改めて驚きました。
都会って本当になんでもありますよね(笑)
ないものがないので、毎週土日には家族で新しい場所に行って遊べますし、刺激はたくさんありました。
あとはいろんな人に頻繁に会えますし、情報もたくさん流れて来ます。
やはり刺激を求める若者や、バリバリ仕事したいって人には、都会は合っていると思います。
地方都市に住むメリット・デメリット
続いて、地方都市に移住するメリット・デメリットを、都会と限界集落と比べてあげられる点をあげてみます。
- 生活には困らない
- 都会に比べて土地代が安い
- 人が少ない
- ご飯がうまい
- 公共施設が意外と充実している
- 独自の文化圏がある
- 移住者の受け入れに慣れている
- アクセスは悪い
- 都会と比べ平均収入が低い
- 都会と比べて遊ぶ場所は少ない
- 人とあまり会えない
地方都市に住むメリット
生活には困らない
田舎に移住すると、コンビニが遠くなったり、スーパーまで30分かかるとかそういう話が出がちですが、当然ながら地方都市なら都会と変わらず生活できます。
コンビニもスーパーも美容院も外食チェーンも、普通に生活していく上で必要なものは全て揃って居ます。
むしろ、都会と比べて交通量が少ないので、それらへのアクセスは都会よりも早いといっても過言ではありません。
都会と比べてないものといえば、一部のチェーン店(例えば高知ならサイゼリヤやドンキホーテ)と、ユニバやディズニーランドなどの大型のテーマパーク、あとは若者向けの大型のクラブなどがないという点のみです。
都会に比べて土地代が安い
都心部と比べ、やはり土地代は安いです。
例えば東京の江戸川区と、僕が今住んでる高知市内の比較です。
一人暮らしでも家賃相場は2万円以上違いますし、家族とも慣れば家賃はほぼ倍です。
もちろん地域によって多少の誤差はありますが、家賃帯でみても、かなりの差があります。
広さだけじゃなく、駅近や新築などの条件をつければこの差はもっと大きくなるでしょう。
人が少ない
地方都市の圧倒的なメリットとしては、人が少ないことです(笑)
大阪に住んで居た頃は、梅田や難波あたりを歩くだけで、なんか疲れてました。が、地方に来てからは、基本人に揉まれるということがなくなります。
ほぼ皆無と言っていいですね。
個人的に、これによるストレスの軽減は予想以上でした。
ご飯がうまい
とにかくご飯はめっちゃ美味しいです。
これは僕が高知県に住んでいるからってのもあるかもしれませんが。(高知はご当地グルメで何度も日本一になっている)
地方都市はその土地の各地の特産物が集結する場所です。
一見、限界集落の方が美味しいもの食べられるんじゃないかと思うかもしれませんが、確かに特徴的な珍しいものは限界集落の方が多い傾向があったりするんですが、その地方の特産物を幅広く堪能できるのは限界集落よりも地方都市なんですね。
公共施設が意外と充実している
これは地域によって全然変わってくるとは思いますが、僕が住んでる高知市は意外と公共施設が充実しています。
高知の図書館、オーテピアの個室。
Wi-Fiコンセント完備で利用2時間無料。
高知県の公共施設めっちゃ充実してる。 pic.twitter.com/hUtTbD2Lr1
— キック | 主夫リーランス (@kikumer) 2019年12月18日
僕が住んでいる高知市は、無料の最新設備がある図書館、無料で2時間使える個室オフィス(ワイファイ付き)、無料Wi-Fi付き蔦屋書店、子供が遊べるオフィススペースなどが完備されています。
これは自治体によっても大きく変わるとは思いますが、いずれにしても限界集落よりははるかに生活しやすいです(笑)
独自の文化がある
地方は独自の文化があって、個人的には面白いです。
例えば高知県だと、朝のモーニングに味噌汁がついて来たり(笑)
あとは返杯と言う酒飲みの文化があったり。
そしてその地元民たちは、そう言った文化を愛しているんですね。
だからその土地のことが好きになります。これは地方ならではかなーと思います。
移住者の受け入れに慣れている
地方都市は限界集落とは違い、移住者の受け入れに慣れています。
なので、「よそ者」とか言われたりすることはないです。
むしろ、過疎化が進む地域がほとんどなので、若い人だと特に歓迎されます。
その土地に移り住むということは、なんらかの縁があってとか、好きだからとかの理由があるはずなので、それを伝えると地元民の方々も悪い気はしないですよね。
閉鎖感もまったくないので、その点は大きなメリットだと思います。
地方都市に住むデメリット
地方都市に住むデメリットについてですが、正直目立ったところはないと思います(笑)
ただ、都会と比べると、以下のデメリットがあります。
アクセスは悪い
いうまでもなく都会と比べてアクセスは悪いです。
海外に行くときも、一旦関西空港や成田空港に飛行機で行かないといけないため、その点一手間多いですね。
都会と比べ平均収入が低い
これも言わずもがなですが、都会と比べて平均収入はどうしても下がります。
市場規模が違うので仕方ないですね。
ここら辺に関しては【田舎VS都会】どっちの方がお金貯まる?平均貯金額、収入、支出を比較してみたに詳しく書いてるので合わせて参照ください。
都会と比べて遊ぶ場所は少ない
まあわざわざいうことでもないんですけど、ユニバとかディズニーランドなどはもちろんないです。
あとはいつ部のチェーン店(高知の場合はサイゼリヤとドンキホーテ)がなかったりします。
そういうのに耐えられない人は厳しいかもですね。
人とあまり会えない
僕が個人的に一番大きなデメリットとして感じるのはこれです。
発信活動をしていると、SNSなどで仲良くなったり、仕事仲間とご飯に行こうという話になったりするのですが、開催地は基本都心部なので、地方だとなかなか参加が難しいです。
オンラインサロンのオフ会とかも都心部までわざわざ行くかってなると、なかなか脚が重いですね。
結局それによって会う人が少なくなり、機会損失な部分も多いとは思います。
限界集落に住むメリット・デメリット
- 土地代がほぼただ
- 水道光熱費もほぼただ
- 人がほぼいない
- (一部の)食材が安い
- アクセスが鬼
- 外部の人との接触がほぼない
- 人付き合いが結構大変(移住者に対して理解が低い場所もある)
- 仕事がない
限界集落に住むメリット
土地代がほぼただ
限界集落になると、土地代がほとんど無料同然になります(笑)
一軒家を貸してもらって家賃1万円とか、何千坪もある土地を100万円ちょっとで譲ってもらえるとか、結構ザラにあります。
水道光熱費もほぼただ
僕が住んでいる集落では、水道代は山から水を引いているので無料でした(笑)
あとは山だったので、夏は涼しく、エアコン不要だったので電気代もあまりかかりませんでした。
また、水道光熱費以外も、基本お金を消費する場所が少ないので、極限まで出費を抑えられます(笑)
大阪から高知への移住で得たもの
固定費差額 8.7万円
・家賃 6万→3.3万
・電気代 4000→2000
・水道代 2000→0
・食費 8.5万→2万
・娯楽費 1.3万→5000ガス代とガソリン代で+1.7万円、1年で計算すると104.4万円の差
頑張って残業代稼ぐより田舎に住んだ方が楽w
— キック | 主夫リーランス (@kikumer) 2019年1月8日
大阪→限界集落→地方都市
の順番で引っ越した生活費・固定費の変化
・家賃 6万→3.3万→6.7万
・電気代 4000→2000→3500
・水道代 2000→0→2000
・食費 8.5万→2万→4万
・娯楽費 1.3万→5000→8000
・交際費 3万→0→5000合計:18万→6万→12.5万
結論、限界集落最強でしたw
— キック | 主夫リーランス (@kikumer) 2020年4月2日
人がほぼいない
これは限界集落を夢みる人にとっては一番のポイントだと思います。
マジで人がいません(笑)
1km車を走らせて誰とも会わないとか、普通にあります。隣の家が3km先とかね(笑)
都会じゃありえないですねw
(一部の)食材が安い
限界集落は場所にもよりますが、地産地消の傾向が強いため、野菜やその場所で取れる食材は安く買える傾向にあります。
ただ、普通にスーパーで売ってる食材に関しては、都会と大差ないので、田舎に行けば食費が浮きまくる!と思ってると案外期待外れになる可能性もあります。
限界集落に住むデメリット
続いて、限界集落に住むデメリットについても解説をしておきます。
アクセスが鬼
場所にもよりますが、基本はアクセスが鬼です(笑)
僕が住んでいたところは
- ソフトバンクの電波はいらない
- コンビニまで車で20分
- スーパーまで車で25分
- 産婦人科まで車で1時間
という状況でした。
都心部や地方都市の生活に慣れている人は、わりと強いモチベーションがないと、この不便さには手を焼くかもしれません。
ガソリン代が結構かかる
アクセスが悪いので、車は必須になりますが、ガソリン代は結構かかります。
僕が大阪にいた時、ガソリン代は月に1万円もいかないくらいでしたが、限界集落に移住してからはガソリン代が月25,000円になりました(苦笑)
燃費の悪い車だったのもありますが、何れにしても車無しには生活ができないので、その点デメリットではありますね。
外部の人との接触がほぼない
普段人と会わないので、外部との接触がほぼ絶たれます。
極論異世界にいるみたいな感覚に近いかもしれません。
まず街まで出て行くのが面倒なのに、さらにそこから都心部まで出て人に会うなんてことは、一年に数えるくらいしかないんですよね(笑)
最初はいいかもしれませんが、それがずっとになると、少し辛い部分はあるかもしれません。
人付き合いが結構大変
もちろんこれはケースバイケースですが、あくまで傾向として、限界集落などの閉鎖的なコミュニティでは、外から来た人を警戒したり、よそ者扱いする部分があったりします。
僕が住んでた地域でも、ほんの少し、そういった雰囲気を感じた瞬間はありました。
人とコミュニケーションを取りたくないから限界集落に移住する!という人は多いですが、実はそういった狭いコミュニティの方がコミュニケーション力を重視される傾向にあることは、知っておいた方がいいかもしれません。
仕事がない
これが一番死活問題ですよね(笑)
ふらっと行ってなんか仕事やろうと思っても、まあなかなか見つかりません。
僕もハローワークで一度住んでいた地域の職業募集を見たのですが、土木建築の事務が一件、あとはゼロでした(笑)
まあ移住する人はこの点は解消してから移住するとは思いますので、わざわざいうことではありませんが、限界集落に移住するということは、転職などの選択肢はほぼないと思った方がいいかもしれません。
総合得点ではダントツ『地方都市』をおすすめします
それぞれメリット・デメリットをお話ししましたが、結論、僕個人としては『地方都市』をダントツでお勧めします。
理由は以下です。
- 都会ほど人は多くなく、限界集落ほど閑散として居ない
- 都会ほど生活費が高くなく、田舎ほど利便性が低くない
- 地方の特産品を総合的に堪能できる
結局、都会と限界集落はどちらも極端だなという印象です。
東京に住んでバリバリ仕事する!
とか
限界集落に住んで、畑と向き合い、超のんびり生活をする!
とかっていうのは、ぱっと見憧れたりするんですが、ずっと生活していくとなると、それよりも『適度』が求められるなと思いました。
特に限界集落での生活はそうですね(笑)
現代日本の利便性に慣れてしまっている僕たちでは、よほどその土地に魅力を感じて居ない限り、ただ限界集落に移住するっていうのは途中で飽きたり辛くなったりする元だと思います。
高知県民って「高知はなんもないきねー」と地元disる人が多いんですが、実は
・飯が死ぬほど美味い
・郷土料理めちゃ多い
・水と空気鬼綺麗
・大自然が身近
・人柄が気さく
・公共施設が充実というメリットだらけでして、普通に移住にも超おすすめです。
家族連れやフリーランスの方は特に! pic.twitter.com/VYJEpuldul
— キック | 主夫リーランス (@kikumer) 2019年12月19日
どんな仕事に就くかにもよる
あとは結局、どんな仕事をするかによっても住むべき場所は違ってくると思います。
例えばバリバリのコンサルタント、証券マン、上場企業の社員として働くなら、収入がずば抜けて高いため、都会に住むメリットはそれだけで大きいです。
地方のサラリーマンは年収2000万以上とかはまずいないですからね。
また、不動産投資家やWeb系のフリーランスも、比較的都会の方が仕事がしやすかったりすると思います。
不動産の需要は都会の方が間違いなく安定していますし、フリーランスとしての仕事も都会の方が安定して需要があるし単価も高めです。フリーランスも田舎は競合が少ないとはいえ、そもそもニーズの発掘までの難易度が高いかなという印象です。
で、逆に公務員など、都会と田舎で収入格差があまりない職業であれば、田舎の方がいいという結論になりますね。
もちろん職場にもよりますが、公務員は地方の方がまだ融通がききやすい部分もあるように思いますし、なにより都心部と給与の開きが月2~3万程度であれば、まず間違いなくそれ以上に田舎の方が生活費が安いので、公務員するなら地方をおすすめします。国家公務員とかはまた別ですけどね。
要は、都会にしかない高年収の仕事に就くなら都会に住むメリットはでかいですが、それ以外の職業なのであれば、都会に住むメリットは、本当にアクセスくらいかなと思います。
結論、個人的には全部楽しかったです
結論、個人的には全部楽しかったです。
三者三様それぞれ良さがあり、「人生の楽しみ方は色々あるんだな〜」と知ることができました。
- 都会でバリバリ働きながら刺激的な生活を送るのか
- 人里離れた限界集落で綺麗な空気と野菜に触れ、畑を耕してのんびり暮らすのか
- 地方都市で生活に最低限必要な利便性を確保しつつ暮らすのか
どれも魅力的な生活スタイルだと思います。
ただ、さっきも言いましたが、長期で生活するなら、『適度』がとっても大事なんだなと思います。
適度に利便性もあって、生活費も適度で、人の多さも適度。
特徴が少ないように思うかもしれませんが、地方都市はその土地ならではの文化、食材、人柄があったりするので、全然そんなことないです。